FC2でも、俺参上!

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CRURUブログから引継ぎ、FC2に俺達参上!

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仮面ライダー霊汽 スイカフォームの登場に驚くモモタロスたち。

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ソラに怒られて、めちゃくちゃ凹む死郎。
迷惑で困るモモとウラ。デネブは、死郎を励ましている。

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ジャンル : 趣味・実用

Eternalえぼりゅ?しょん!! 第02話 赤いマントの怪人

 第02話 赤マントの怪人

 遠い遠い昔、異世界はもともと一つの世界であった。いつの頃からか異世界は分裂し、多くの異世界が存在するようになった。
 クッキーを割ると無数の破片ができるように、それぞれの世界の大きさはさまざまであり、なかには魔法が存在する世界や、魔法が認められていない世界もある。
 そして、それぞれの世界は独立した歴史を刻み始めた。その世界の1つに、魔法否認知世界<ミズガルズ>がある。
 魔法否認知世界<ミズガルズ>は、現代社会なので魔法が認知されていない世界。
 なので空路には飛行機、海路には船舶、陸路には自動車や電車を利用し、離れた相手とは電話を使う現代社会。
 この現代社会において「私は魔法使い!」等と言ったら、世間からは白い目で見られてしまう。
 これは、そんな魔法否認知世界<ミズガルズ>を影で守る魔法使いの少年と少女の物語。


 今からだいぶ昔に魔法否認知世界<ミズガルズ>で、怪事件が発生した。
 これらの事件は、魔導管理局が残留魔力を調べ分かったで、紹介する事件中とのやり取りは推測である。
 黄昏時のあぜ道。青年が自転車に乗っていると、どこからともなく不気味な声が聞こえてきた。
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 その声は、まるで地の底から響いているようであった。
 青年は不気味な声が、背後から聞こえたので青年は声のするほうを振り向くが、誰もいない。
 青年は空耳かと思い、また自転車を走らせた。
 しばらく進むと再び、どこからともなくさっきと同じ声がする。
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 いったい、どこから? あたりに誰もいない……。周囲にあるのは、のどかな田園風景。
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 謎の声はいまだに聞こえてくる。
 とうとう青年は苛立ち、謎の声に答えてしまった。
 「マント売りか? 赤いマントはいらんかねえよ。だからもうついてくるな」
 青年の横を風が通り過ぎると、青年の首筋から鮮血が噴出した。
 青年は何が起こったのかも分からず、糸の切れた操り人形のように倒れた。
 そして青年は赤いマントを着たかのように、自分の血液で染まり二度と動かなくなった。
 この事件は<謎の通り魔事件>として警察の捜査が進められたが、何も手がかりもなく事件は迷宮入りとなってしまった。
 <謎の通り魔事件>から3年後のことである。
 1人の少女が、薄暗い林の中を通り学校から帰っていると、地の底から聞こえるような不気味な声が聞こえてきた。
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 3年前に起こった事件を知っていた少女は、怖くなって走り出した。
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 それでも、声だけが少女を追いかけてくる。
 少女は息を切らしながら、問いかけに答えた。
 「赤いマントなんかいらない。だから、もう来ないで」
 「似合うかもしれない、ゆっくり着せてあげるよ」
 その声と同時に少女を中心に怪光が発せられ、赤い靴を片方残し少女の行方は分からなくなってしまった。
 <謎の通り魔事件>が最後に起こってから、大分月日が流れた。
 再び、魔法否認知世界<ミズガルズ>に赤マントの怪人が現代に現れた。

 工藤家に軽快な包丁の音が聞こえてくる。
 工藤飛鳥は台所で夕飯の支度をしてた。飛鳥は童顔で中性的な顔立ち、可愛い部類にはいる男の子だ。
 シーフードのミルクシチューに、鶏のささ身を湯でキャベツなどとあわせたサラダ、と次々に 飛鳥は次々におかずをつくりあげた。
 もちろん、シチューのルーもサラダのドレッシングも手作りなので低下カロリーだ。
 最後に飛鳥はデザートを作り始めた。
 マンゴーの種と皮を綺麗に取り除いた。そのマンゴーをボールにいれ、泡立て器で粗くつぶし、レモン汁を加えた。
 本来ならここで砂糖を入れるはずなのだが、飛鳥はマンゴーの甘味を活かすために入れなかった。
 その様子を横から飛鳥の幼馴染の蒼衣美羽が覗き込んだ。
 美羽は、髪は二つに縛ている女の子。美羽のなかでは、飛鳥と実姉であることりが結婚する予定なので、飛鳥をお兄ちゃんと呼んでいる。
 「お兄ちゃん、何を作ってるの?」
 「マンゴープリンだよ」
 「でも、なんでマンゴーなの?」
 「マンゴーは、ビタミンB1を多く含んでいて、糖質がうまく吸収されるんだよ。食物酵素も豊富」
 飛鳥の話を聞いて美羽は頭を抱え込んだ。
 「う?。難しい話は苦手だよ」
 「ゴメン、ゴメン。そいえば、今日は大分遅いな? 迎えにいったほうがいいかな」
 美羽は悪戯っ子の顔つきになった。
 「お姉ちゃんが心配なんだ。お熱いことで」
 「別にそういう分けじゃ……。ただ、僕とことりは……」
 飛鳥が回答に困り果てていると、工藤家に電子音が鳴り響いた。すぐさま、飛鳥と美羽は居間に向かった。
 すぐに飛鳥はテレビの電源を入れた。
 テレビには1人の人物が映し出された。このテレビは、異空間を航行中のソプラノ級次元巡洋艦<ダ・カーポ>と連絡が取れるようになっている。
 その人物の名前は、シリウス・シュトラウス。シリウスは飛鳥と同年齢で魔力・武道で互角の実力を持ち、頼れる兄の様な存在である。そして、次元巡洋艦<ダ・カーポ>のクルーでもある。
 「飛鳥、緊急の依頼だ。<ミズガルズ>に赤マントの反応が確認された」
 「分かったよ、シリウス。警戒してみるよ」
 美羽は赤マントが何だか分からないので、飛鳥とシリウスに聞いてみた。
 「お兄ちゃん、シリウスさん、赤マントて何?」
 飛鳥とシリウスは答えた。
 「昭和のはじめ頃に、東京を中心に出没した怪人で、その正体は<思念集合体>」
 「そして、進出奇没で、目的は傷害致死に誘拐だ」
 <思念集合体>は人々の思いが集まり、実体化・具現化したモノである。なので、負の思いから生まれた赤マントは、残忍無慈悲なのである。
 飛鳥と美羽はシリウスと情報の取りをして、パトロールに向かった。

 蒼衣ことりと朝霧若葉が委員会の仕事を終え、夕闇の桜花学園の校庭を通り校門に向かって歩いている。
 若葉はショートヘアーに眼鏡をかけ、ややきつい目をしている女の子。そして、飛鳥とことりのクラスの学級委員であり親友でもある。
 「すっかり、遅くなりなりましたね」
 「まったくよ。ことりはいいわよね?。素敵な旦那様が晩御飯作っていてくれそうだし」
 「そんなことないですよ。別に私と飛鳥くんは……」
 「私は一言も、工藤君のことはいってないわよ」
 ことりと若菜が仲良く会話をしていると、どこからともなくあの不気味な声が聞こえてきた。
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 ことりと若葉は周囲を見渡した。校庭の中央付近なので隠れる場所はない。声の主はどこにいるのだろう。
 「ことり、何か聞こえた?」
 「私も聞こえましたよ。気味が悪いですね」
 ことりと若葉は悪寒がはしり、身震いをした。
 そして再び、不気味な声が聞こえる。
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 「ことり。職員室に行こう?」
 「その方が良さそうですね」
 ことりと若葉が踵を返すと、赤マントが立っていた。
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 「なに、あいつ?」
 「赤いマント、赤いマントはいらんかね?」
 若葉が赤マントの問いかけに、答えてしまった。
 「すいません。私達そういうのは興味ありませんから」
 「そんなことない……。赤いマントを着せてあげるよ……」
 赤マントの手元に鉈が現れた。そして赤マントは鉈を構え徐々にことりと若葉の間合いをつめていった。
 そのとき、淡く青色に光る魔法陣が現れた。そこから、ブレザーに良く似た白色の<防御服>を着た飛鳥が、赤マントの前に立ちふさがった。
 「ことり、委員長のこと頼んだよ」
 飛鳥は若葉を睡眠誘導魔法“ぺネセ”で眠らせた。
 「任せてくだい」
 「ありがとう」
 飛鳥は感情抑制魔法“チズネス・ロウジュン”を唱え、右手の手のひらを広げ赤マントに向けた。
 飛鳥の右手の手のひらから淡い青色の光の粒子が現れ、赤マントを包み込んだ。
 「何をしている……」
 飛鳥が使用した“チズネス・ロウジュン”は感情を抑制する魔法、心を持たない赤マントには通用しなかったようである。
 飛鳥はまた力だけで相手を倒すしかないことに悲しい顔になった。
 「お前……、邪魔をするな……。お前から、殺してやる……」
 飛鳥は赤マントと戦うために、右手を天高く上げ愛用の剣<ラクティス>を呼ぶ呪文を唱えた。
 「分かったよ、赤マント。僕が相手になるよ。“タクト・チョウラン”」
 すると淡い青色の光の発光体が現れ飛鳥の右手に飛んでいき、その発光体が激しく光ると、グラディウス似た剣<ラクティス>が現れた。
 飛鳥は<ラクティス>を両手で持ち構えたが、剣<ラクティス>に刃がついていなく、ただの棒のようになっている。
 これでは何も斬ることができない。
 「刃が無いな……。玩具か?」
 突然赤マントは鉈を振りかざし、飛鳥に斬りかかってきた。
 「それは、どうかな? ストライクモード・セットアップ」
 飛鳥が唱えると、剣<ラクティス>に鋭利な淡く青色に輝く魔力の刃が現れた。これにより、剣<ラクティス>に攻撃力が与えられたのだ。
 飛鳥は剣<ラクティス>で赤マントの鉈を叩き斬った。
 周囲には赤マントの鉈の破片が飛び散った。
 「何……!?」
 大剣を破壊された赤マントは、慌てふためいている。
 「赤マント、大人しく思念に還るんだ」
 「投降はしたくない……。もっと血がみたい……」
 再び赤マントの怪人は飛鳥に、折れた鉈で切りかかった。飛鳥はバックステップで避け、赤マントに隙ができたので斬り込んだ。
 飛鳥は赤マントの下腹部を横に斬ると、斬られた箇所からは灰の様なものが零れ落ちた。
 「覚えていろ、私は……。また、帰ってくる。何度でも……」
 赤マントの背後に怪光が現れた。赤マントは逃げるつもりらしい。
 「美少女魔砲使い! 美羽を忘れちゃダメだよ」
 飛鳥の頭上で待機していた美羽が叫んだ。そのおかげで、動揺した赤マントの動きが止まった。
 「お前が……。美少女……? ふっん」
 赤マントは鼻で美羽を笑った。
 美羽が構える杖<ウィッシュ>にはすでにサッカーボールほどの桜色の光弾“ジッタヴ・ジャライ・ロウファン”が完成していた。
 美羽は魔力量が少ないので魔力をためるのに時間がかかるので、飛鳥と赤マントの戦闘開始の時から作っていたのだ。
 「あー! 笑ったな。こうなったら。シュート」
 かけ声と共に、杖<ウィッシュ>から桜色の光弾が放たれた。その反動で美羽は少し仰け反ってしまった。
 残念ながら美羽が放った魔力の光弾は赤マントから外れ、地面に着弾した。あたりは土煙に包まれた。
 土煙がはれるとそこには、赤マントの姿はなかった。
 「逃がしちゃったのかな?」
 「たぶん、そうだと思う。追跡はシリウスに任せよう」
 美羽は手を握り締め、悔しそうに怒鳴った。 
 「乙女の怒りは、まだ納まらない!」

 事件のあった現場では、ことりと若葉が何事もなかったかのように立っていた。
 「ことり。私達、何をしていたんだろう」
 「どうかしたの? 若葉ちゃん」
 「なんでもない」
 ことりは、若葉に悪いと思ったが本当のことを話さなかった。それは、全てはなかったことにする為である。
 「早く帰らないと、警察の人に補導されちゃいますよ」
 「委員長の私が補導されたら、遠坂のやつに笑われるわね」
 ことりと若葉が話していると、校門から懐中電灯を持った飛鳥が歩いてきた。
 「ことり、遅いからむかえにきたよ」
 「飛鳥くん、ありがとう」
 「いいわね、ことり。近くに優しい人がいて」
 飛鳥とことりが少し顔を赤らめ、飛鳥とことりが答えた。
 「そんなことないですよ」
 「そんなことないって」
 その様子を見て、若葉は羨ましそうに言った。
 「相変わらず、仲がいいのね」
 こうして、人知れず事件は解決した。


 『第03話 天女の羽衣』につづく

 あとがき
 読んでくれてありがとうございます。
 今回登場した赤マントは、学校の怪談と都市伝説など、さまざまなかたちで語り継がれる赤マント。今作のモデルは、都市伝説の方です。
 噂では、昔実在したとり今だったとか……。
 今後も不定期ですが、都市伝説系が登場します。お楽しみに!
 
 飛鳥とことりのクラスの委員長、朝霧若葉の初登場作品。
 今後も若葉は登場する予定です。
 ちなみに、飛鳥は保健委員、ことりは図書委員です。
 
 次回は、昔話や神話に登場するの天女の羽衣が登場します。

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工藤飛鳥


 ☆名前  :工藤 飛鳥(くどう あすか)
 ☆性別  :男
 ☆出身世界:魔法否認知世界<ミズガルズ>
 ☆所属  :鳳学園2年1組/魔導管理局嘱託職員/魔導管理局臨時教官
 ☆委員会 :保健委員会
 ☆利き手 :右利き
 ☆好き  :桜の木、牛乳
 ☆嫌い  :相手を傷つける
 ☆魔力の色:淡い青色
 ☆魔法の体形:クレッシェンド式
 ☆専用武器:剣<ラクティス>
 ☆容姿:強さと優しさを感じさせる瞳をしている。顔立ちは中性的で童顔なので可愛い部類に入る。身長はそれほど高くはない。
 ☆解説
 蒼衣ことりと蒼衣美羽とは幼馴染の関係。蒼衣家とは家は隣同士で、一緒にご飯を食べたりしている家族ぐるみの仲。
 ことりとの関係は実際は両思い(告白はしていない)なのだが、仲のよい幼馴染止まりで恋愛面での進展がない。
 進展はないといっても、一緒に料理したり買い物に出かけたりと恋人のような関係である。
 そのため、美羽からは未来の義兄(飛鳥とことりが結婚)の予定なので「お兄ちゃん」と呼ばれている。

 飛鳥は幼い頃に魔力圧縮型爆弾<モアブ>の爆発事故に巻き込まれたことがある。
 そのときに母親のサクラが飛鳥をかばい死んでしまった。
 それがきっかけとなり、魔導管理局の嘱託として働くようになった。
 過去の経験から、『自分のような思いを誰にもさせない』と、決意のもとに任務を行っている。

 性格は誰にでも優しく相手を傷つけることを嫌っている。その為か、出現する魔法生物をほぼ無傷で保護をしている。しかし、邪悪な心を持つ相手には毅然として立ち向かう。
 戦闘スタイルは力技よりテクニックで攻める傾向があり、格闘戦と射撃戦では射撃戦を得意としている。その射撃の腕前は15m程度なら<ワンホールショット>を軽々ときめられる。

 シリウス・シュトラウスとイリス・アルファーノとは魔導士・魔導騎士養成学校<ファンタジア>の同期生であり親友でもある。



登場作品
Eternalえぼりゅ?しょん!!

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父の日のプレゼント

31おアイス トリプル

父の好物のアイス(右)を上げました。
片方は母親用(左)。

サイズは、レギュラー。
そして、トリプル。

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Eternalえぼりゅ?しょん!!


 第01話 魔法使いの戦士

 遠い遠い昔、異世界はもともと一つの世界であった。いつの頃からか異世界は分裂し、多くの異世界が存在するようになった。
 クッキーを割ると無数の破片ができるように、それぞれの世界の大きさはさまざまであり、なかには魔法が存在する世界や、魔法が認められていない世界もある。
 そして、それぞれの世界は独立した歴史を刻み始めた。その世界の1つに、魔法否認知世界<ミズガルズ>がある。
 魔法否認知世界<ミズガルズ>は、現代社会なので魔法が認知されていない世界。
 なので空路には飛行機、海路には船舶、陸路には自動車や電車を利用し、離れた相手とは電話を使う現代社会。
 この現代社会において「私は魔法使い!」等と言ったら、世間からは白い目で見られてしまう。
 これは、そんな魔法否認知世界<ミズガルズ>を影で守る魔法使いの少年と少女の物語。
 
 
 ここは日本の何処かにある鳳市。そこで桜花神社を営んでいる、工藤家は朝食から賑やかだ。
 今日も工藤飛鳥、蒼衣ことり、蒼衣美羽の三人は、飛鳥の家で朝食を摂っていた。
 この3人は幼馴染で、家も隣同士で兄弟同然に育った仲、今でも家族ぐるみで仲がいい。 
 飛鳥は、童顔で中性的な顔立ちで、可愛い部類にはいる少年。
 ことりは、ボブヘアーに優しい雰囲気がする少女。
 美羽は、ことりの妹で髪は二つに縛ていて可愛らしい。
 美羽が美味しそうな焼き色をしている鮭を、ふっくらしたご飯と一緒にほおばり飛鳥とことりのご飯を褒めた。
 「今日もお兄ちゃんとお姉ちゃんが、作るご飯は美味しいよね」
 「ありがとう、美羽」
 「今度、美羽もお料理をしてみる? 少しぐらいは、できた方がいいよ」
 美羽が少し考え込み、悪戯っ子のように微笑んだ。
 「ボクは、消費担当だし。でも……、ボクが叔母さんになる日も近いだろうし。未来の親類の為に、お料理でもしてみようかな?」
 美羽の言葉で、飛鳥とことりは耳まで真っ赤になった。これが、美羽が飛鳥を「お兄ちゃん」と呼んでいる理由だ。
 「美羽、何言ってるんだよ」
 「別に私と飛鳥くんは……」
 その2人の様子を見て、美羽は微笑んだ。
 「2人とも、照れちゃって可愛い。ただ、『未来の親類』て言っただけなのに」
 そんなこんなで、毎朝から大賑わいの食卓なのである。
 
 飛鳥達が通う鳳学園は男女共学であり、風紀も乱れもないので評判はそれなりに良い。
 飛鳥とことりは自分達のクラス、2年1組の前に来た。美羽はまだ1年生なので、当然違うクラスだ。
 教室の前には委員長の朝霧若葉が教室に入ろうとしていた。
 若葉はつり目気味で、どこかきつい印象がある。
 「おはよう。工藤君、ことり」
 「委員長、おはよう」
 「おはようございます」 
 体育の授業になり、男子はスポーツチャンバラをやることに決まった。
 使用武器は小太刀。小太刀と防具の都合上、男子を数グループに分けて行うことになった。
 飛鳥のグループは飛鳥を含め7人。 今回のルールは生き残りであるが、協力してもよいだ。
 飛鳥は前方から向かってくる生徒の小太刀を弾き飛ばし肩を叩き、さらに背後から切りかかる生徒をかわし、振り返ると同時に腹を叩く。
 今度は四方を囲まれた。この陣形だと、切り込んだら背後から攻撃されるパターン。
 上級者あいてに、初心者数人がかりで挑めば勝てる方法だ。
 飛鳥は前方の生徒に切り込むように見せかけ、飛び込み前転で陣形を抜ける。にくいことに、抜けるさいに近くにいた生徒の太ももを叩いた。
 すぐさま踵を返し、迅速のごとく背後から迫る3人の生徒を次々に叩いた。
 飛鳥はあっという間に全員倒したのだ。
 その飛鳥の姿に、若葉は見とれていた。
 「若葉ちゃん。また、飛鳥くんをじっとみて」
 ことりの言葉で、若葉は我に返った。
 「別にそういうんじゃ。ただ、工藤君って体育会系に見えないのにすごいなて思っただけ」
 若葉は顔を真っ赤にして反論する。
 平和な学園生活。この平和に慣れてしまうので、幸せと感じないことも多い。
 それは失って初めて気がつくのだろう。
 きっと、彼女達も――。
 
 鳳公園の雑木林。 その中を牛に似た仔犬ほど大きさの動物が、おぼつかない足取りで歩いていた。
 石に躓いてしまい茂みに向かって転倒してし、茂みがゆれてしまった。
 その音で誰かが近づいてきた。
 「牛に似てるけど、何か違う気がする。新種かもよ」
 「だったら、俺達でさぁ、隠れて飼わない?」
 「それいいね!」
 近くで遊んでいた少年達のようだ。 年齢からすると、9歳くらいだろう。
 「まず、名前はどうする?」
 「牛に似ているから牛もどきはどう?」
 「なんよだそれ」
 「これっといった、名前ないじゃん」
 少年達は名前をどうするか話しつつ、牛に似た生物と遊び始めた。人になれているのか人懐っこく、すぐに仲良くなった。
 気がつくと大分周囲が茜色に染まっていた。
 ひとまず茂みに、似た生き物を潜ませた。
 
 その日の夕方。飛鳥とことりは、テレビ電話をしていた。
 相手はモデルの様な顔立ちの少年シリウス・シュトラウス。シリウスは魔導管理局正規職員であり、飛鳥とは同年齢で魔力・武道で互角の実力である。
 飛鳥達は過去にも魔法がらみの事件をいくつも解決しており、魔法がらみの事件が起きたときだけ、普通の学生から魔法を使う戦士になる。
 「飛鳥、ベヘモスの親子の保護の依頼がある。場所は鳳公園だ」
 ベヘモスは、牛に似た魔法生物である。大人の大きさは牛の大きさと変化はないが、その力は自動車を軽くペチャンコにできるほどだ。
 もしも街中で暴れだしたら一大事だ。
 「分かったよ、シリウス。僕達に任せて」
 「人に見つかる前に、保護をしてあげましょう」
 「頼んだぞ。ところで話が変わるが、美羽はどうしたんだ?」
 ことりは言いにくそうに言った。
 「居残り勉強です」
 「それは、大変だな」
 シリウスは愛想笑いをした。
 
 少年達が林から出ると、前方から牛に似た生き物が咆哮をあげ近寄ってきた。
 それは牛に似た生き物の親、保護依頼のでているベヘモスである。
 ベヘモスは少年達を睨み付け咆哮を上げると、少年達めがけ突進をしてきた。
 ベヘモスの威嚇で少年達は恐怖から動けなくなってしまった。 少年達にベヘモスが迫る。
 そのとき、淡い青色に光る魔法陣が現われ、白色をしたブレザーに似た<防御服>を着た飛鳥とことりが現われた。
 そして飛鳥は、ベヘモスの突進を受け止め呪文を唱えた。
 「結界を張らないと、“ルラン・ラルシ・レッヴライ”」
 周囲を結界が包み込む。
 これで、外部から結界の中が見えなくなり、入ってこれなくなった。
 次に飛鳥は少年達に右手を広げて向けた。
 「“ぺネセ”」
 魔法で少年達は眠りについた。
 そして、飛鳥は誰もいない砂場へ、ベヘモスが怪我をしないように投げ飛ばした。
 ベヘモスは起き上がり吼えると、飛鳥めがけて突進してきた。飛鳥は冷静に闘牛士のように、ベヘモスの突進をかわした。
 突進を回避されたベヘモスは急旋回して、飛鳥めがけて再び突進してきた。
 「“チカス・ルタシ”」
 突進してくるベヘモスの周りに無数の小さな魔法陣が現れ、そこから淡い青色の鎖が現れ意思を持つかのように動きベヘモスを縛り上げた。
 拘束され動きを封じられたベヘモスは、鎖を引きちぎろうと暴れ始めた。
 「とりあえず、これで大丈夫かな? それよりあのベヘモスは、子供が居なくなって怒ってるみたいなんだ」
 「今、探して見ますね。“タルヴェリ”」
 ことりは目を閉じ精神を集中させ、魔法で周囲を索敵しはじめた。
 魔法生物は微弱ながら魔力を放っているので、索敵魔法“タルヴェリ”で探せるのだ。
 しばらくして、ことりの目が開いた。
 「見つけました。この公園の林にいます」
 「僕は親の気を引いてるから、ことりは子供のほうをお願い」
 「任せてください」
 可愛らしくウィンクすると、ことりは子供のベヘモスの保護に向かった。
 一方の親のベヘモスは暴れ拘束していた魔法の鎖を力づくで引きちぎり、すぐさま飛鳥へ突進を仕掛けてきた。
 飛鳥は突進してきたベヘモスの背中に手をつき、跳び箱のように飛び越えた。 すると、ベヘモスはUターンして再び突進を仕掛けてきた。
 飛鳥はその場を動こうとせず呪文を唱えた。
 「もう、暴れなくていいんだよ。“チズネス・ロウジュン”」
 右手の手のひらを広げベヘモスに向けた。 飛鳥の右手の手のひらから淡い青色の光の粒子がベヘモスを包み込んだ。
 これは感情を抑制する魔法。魔道管理局でも飛鳥しか使えない貴重な魔法なのだ。
 粒子を浴びるとベヘモスは今まで怒り狂っていたのが嘘のように落ちついた。
 そして、優しくベヘモスに語りかけベヘモスの頭をそっとなでてあげた。
 「もう大丈夫だよ。もうすぐ会えるから」 
 「飛鳥くん、無事に保護できました」
 タイミングよく帰ってきたことりの腕には、ベヘモスの子供が抱きかかえられていた。
 「ありがとう、お疲れ様」
 ことりはベヘモスの近くに優しくベヘモスの子供を降ろしてあげると、ベヘモスの親子は寄り添い嬉しそうに鳴いた。
 ことりは優しい母の様な目でベヘモスの親子を見つめた。
 「もとの世界で幸せに暮してね。“ヴェントウ”」
 ベヘモスの親子はピンクの光に包まれ、異空間で現在待機中のソプラノ級次元巡洋艦<ダ・カーポ>に転送されていった。
 「帰ろうか。ことり」
 「うん」
 2人は転送魔法で工藤家に帰還した。
 2人が帰るとベヘモスが暴れていた鳳公園では、少年達は何事もなかったかのように眠りから覚めた。
 「あれ? 俺達、何をしていたんだろう」
 「仔牛に似た動物と遊んでいたような、気がするようなしないような」
 「みんなそろって、同じ夢?」
 少年達はさっきあった出来事を、夢と勘違いをしているようだ。
 可愛そうだが魔法が認知されていない世界<ミズガルズ>を、混乱させないために飛鳥達が取った手段である。少年達を魔法で一時的に眠らせているだけで、記憶を操作はしていない。
 可愛そうだが秩序を守るために、今日のことは事実上無かったことにしたのだ。
 
 宇宙の様な壮大な空間に、宝石箱をひっくり返したように色とりどりに輝く球体がいくつも見える。その球体がそれぞれの世界に通じている。
 魔法否認知世界<ミズガルズ>に通じる球体の近くに停泊中の、ソプラノ級次元巡洋艦<ダ・カーポ>の艦内に飛鳥とことりは来ていた。
 艦長席には、古風な雰囲気がする少女が座っていた。
 「ご苦労様です。飛鳥さん、ことりさん。後は私達に任せて下さい」
 艦長席に座っている黒髪の少女、イリス・アルファーノは飛鳥とことりにお礼を言った。
 イリスは先ほどのテレビ電話の相手、シリウスの上官で恋人である。
 「イリスさん、気にしないで」
 「そうですよ」
 イリスは艦長席の空中にホログラムで現れたキーボードをすばやい手つきで操ると、メインモニターに幸せそうなベヘモスの親子が映し出された。
 まだ、ベヘモスの親子はこの艦内いるが、このあともとの世界に送りとどけられる。
 ことりは飛鳥に寄り添った。
 「飛鳥くん。無事に保護できて良かったね」
 「うん。あのベヘモスの笑顔も守れたし」
 
 
 『第02話 赤マントの怪人』につづく


 
 あとがき
 読んでくれてありがとうございます。
 作品タイトルだけでも覚えてもらえると嬉しいです。
 
 美羽が飛鳥を読んでいる理由は、義理の兄の予定。
 それは美羽の実姉であることりと、飛鳥が結婚の予定。張本人たちは両想い(?)だけど、照れて進展がなく幼馴染どまり。
 飛鳥とことりの将来は……!?
 
 さておき、今回登場したベヘモス。地域により姿が異なったりします。
 ベへモスは別名で、ベヒーモス、ベヒモス等とも呼ばれてたり、食卓に出されたりとしています。
 次回は、都市伝説の赤マントが登場します。
 


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Eternalえぼりゅ?しょん!!


 あらすじ
 遠い遠い昔、異世界はもともと一つの世界であった。いつの頃からか異世界は分裂し、多くの異世界が存在するようになった。
 そして、それぞれの世界は独立した歴史を刻み始めた。その世界の1つに、魔法否認知世界<ミズガルズ>がある。
 魔法否認知世界<ミズガルズ>は、現代社会なので魔法が認知されていない世界。
 なので空路には飛行機、海路には船舶、陸路には自動車や電車を利用し、離れた相手とは電話を使う現代社会。
 この現代社会において「私は魔法使い!」等と言ったら、世間からは白い目で見られてしまう。
 これは、そんな魔法否認知世界<ミズガルズ>を影で守る魔法使いの少年と少女の物語。



蒼衣ことり(画像左)とサンドリヨン・ペロー(画像右)

 ファーストシーズン
 第01話 魔法使いの戦士
 第02話 赤マントの怪人
 第03話 天女の羽衣
 第04話 飛鳥の同居人?
 第04.5話 恐怖の電話
 第05話 石化の森
 第06話 謎の老婆
 第06.5話 栗鼠の伝言
 第07話 12時までの魔法
 第08話 はじめてのおつかい
 第09話 残りモノの気持ち
 第09.5話 幸せの毛玉
 第10話 飛鳥の母
 第11話 人魚の秘薬
第12話 お菓子の家

テーマ : 趣味と日記
ジャンル : 趣味・実用

CURURUから来ました。

CURURUが閉鎖するとのことで、やってきました。
mixiとの掛け持ちなので、かーなーりー不定期更新かも……。

メインは、オリジナル小説とプラモデル等の写真の予定デス。
最後のデスは、『死ね』ていう意味じゃないんだからね!

テーマ : 日記だよ
ジャンル : 趣味・実用

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フェレットもどき

Author:フェレットもどき
初めまして、フェレットもどきです。
ヴァイスシュバルツについて書いたりしてます。

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作品紹介
D.C.III P.P. ~ダ・カーポIII プラチナパートナー~ D.C.III R ~ダ・カーポIIIアール~ D.C.III Plus ~ダ・カーポIII~プラス D.C.III ~ダ・カーポIII~ D.C.I&II P.S.P. ~ダ・カーポ I&II~ プラスシチュエーション ポータブル T.P.さくら D.C.F.S. ~ダ・カーポ~ フォーシーズンズ D.C. P.S.~ダ・カーポ~プラスシチュエーション
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