Eternalえぼりゅ?しょん!! 第07話 12時までの魔法


 アーサー・C・クラークの言葉、『充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない』のように、魔法認知世界<ミミル>ではほかの世界の何十年も先を行く科学力、ほとんどの世界の魔法学が集まる世界。
 どれが魔法で、どれが科学力なのか区別がつかないほどだ。
 それらの力を悪用する者は当然現れる。
 魔法が認められていない世界の1つ、魔法否認知世界<ミズガルズ>に魔の手が迫る。
 魔法と科学の力を悪用し、秩序を崩そうとするものがいた。
 これは、そんな魔法否認知世界<ミズガルズ>の秩序を影で守る魔法使いの物語。

 夕暮れの公園で少女は、ベンチに座り泣いていた。
 なぜ、少女が泣いているかというと、長年可愛がっていた愛犬のコロが死んでしまったからである。
 「コロ、なんで死んじゃったの……」
 泣いている少女に、紫色のゴシックロリータの服を着た少女が近づいた。
 紫色のゴシックロリータの服は、紫色のヘットドレスをしている。
 銀色のロングヘアーに整った顔立ちとスタイルが、ゴシックロリータの服を嫌らしさや嫌味さを感じさせず着こなさせている。少女の名前は、サンドリヨン・ペロー。
 「もう、泣かないで。これを履けば願いが叶うから」
 サンドリヨンはガラスでできた靴を、少女に手渡した。
 「<ガラスの靴>?」
 「その<ガラスの靴>を履けば今日の12時まで願いが叶えられるから」
 「ほんとう……?」
 サンドリヨンはハンカチを取り出し、少女の涙を拭いてあげて優しく言った。
 「せっかくの可愛い顔が台無しよ」
 少女は見ているうちに不思議と、<ガラスの靴>を履きたくなった。
 そして、少女は恐る恐る<ガラスの靴>を履いてみた。
 「<ガラスの靴>を履いたからって、別にシンデレラになったわけじゃないしね」
 そう言い少女は顔を上げると、目の前に少女の死んでしまったはずの愛犬のコロがいたのである。
 「コロ……」
 コロは少女に走って近づいて来た。
 懐かしい温もり懐かしい匂い、紛れもなくその犬は少女が可愛がっていたコロである。
 少女とコロは、辺りが暗くなっても遊び続けた。
 サンドリヨンはまるで母親のように子供を見守った。

 その頃、工藤家の台所では、童顔で中性的な顔立ちの少年、工藤飛鳥が夕飯の支度をしていた。
 飛鳥はご飯の上に手作りのカレーとチーズをのせて、それを電気オーブンに入れた。
 その様子を飛鳥を、金髪の髪をポニーテールにしている少女、フェイト・クラウスが覗き込んだ。
 「今日は、どんなカレーなの?」
 「今日のカレーは、焼きカレー」
 「焼きカレー?」
 「うん、焼きカレーは昭和30年頃の福岡県の……」
 飛鳥が焼きカレーの説明をしていると、居間から電子音がなり響いてきた。飛鳥はすぐに電気オーブンの電源を切り、居間に向かいテレビの電源を入れた。
 テレビに電源が入ると、モデルのような美形の少年が映し出された。少年の名前は、シリウス・シュトラウス。
 どうやら、シリウスからのテレビ電話のようだ。
 「鳳公園に<ガラスの靴>の魔力反応が確認された。回収をしてくれないか?」
 「分かったよ。行こう、フェイト」
 「はい」
 飛鳥とフェイトは変身呪文『ヘンシン』を唱えると、今まで着ていた服が飛鳥は白色のブレザーに似た<防御服>、フェイトは黒色のブレザーに似た<防御服>に変わった。
 鳳公園に飛鳥とフェイトが到着した。
 飛鳥は仔犬と遊んでいる少女が、<ガラスの靴>を履いていることに気がついた。
 「あれが、<ガラスの靴>」
 「綺麗……」
 フェイトが見とれていると、背後から女性の声がした。
 「まだ、あれを回収しないで頂戴」
 飛鳥の近くに、サンドリヨンがいた。
 飛鳥はサンドリヨンに優しい声で答えた。
 「分かっているよ、魔法が解けるまではしないよ」
 すると、サンドリヨンは微笑んで飛鳥に話しかけた。
 「あなたとは、気が合いそうね」
 「そうかもしれないね。いつかきっと分かり合える日がくるよね」
 「そうだと良いわね。そうだ、今日の12時になったらあの靴をあなたにあげるわ」
 「そんなことして、いいのかい?」
 「私には、必要がないから」
 「わかったよ。ありがとう」
 飛鳥達は、静かに<ガラスの靴>を履いた少女を見守り続けた。
 少女とコロは、月明かりに照らされながら遊んでいると、時間は夜の12時になろうとしている。
 「どうしたの、コロ」
 だんだん、コロの姿が薄くなっていく。
 「可愛そうだけど、お別れの時間だよ」
 少女の背後に、飛鳥がたっていた。
 「それは、どうして?」
 「もう、シンデレラの魔法が解けてしまうからだよ」
 時計の針が12時を示すと、コロの姿が完全に消えてしまった。
 「コロ……」
 飛鳥は少女に優しく言った。
 「コロは、天国にいったんだよ。いい子にして長生きすれば、また必ず会える」
 少女は涙目で飛鳥を見つめた。
 「ホント?」
 「ホントだよ。夜も遅いし、僕が家まで送るよ」
 飛鳥は少女を催眠誘導魔法『ぺネセ』で眠らせて、抱きかかえた。
 魔導管理局の情報部の力で少女の家の場所を調べ、飛鳥とフェイトは飛行魔法で少女の家まで送った。

 少女が気がつくと、家の前に立っていた。
 「あれ? 私の家……」
 少女は玄関のドアを開けて、家の中に入った。
 家の中では、少女の母親がホッとした様子で少女を抱きしめた。
 「心配したのよ、今まで何処にいっていたの?」
 「公園でコロと、ずっと遊んでいたの」
 「夢でも見ていたんでしょう」
 「違うよ、夢なんかじゃなかったよ」
 少女は、コロが死んでしまった悲しみを克服し、コロの分まで元気に生きると誓ったのでした。


 『第08話 はじめてのおつかい』につづく

 あとがき
 読んでくれてありがとう♪
 次回は、『Eternalから?ず!!』のヒロイン、オトメが登場。
 オトメのモデルは赤ずきん。
 はじめてのおつかいで、大変なことに!?

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