Eternalえぼりゅ?しょん!! 第08話 はじめてのおつかい


 アーサー・C・クラークの言葉、『充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない』のように、魔法認知世界<ミミル>ではほかの世界の何十年も先を行く科学力、ほとんどの世界の魔法学が集まる世界。
 どれが魔法で、どれが科学力なのか区別がつかないほどだ。
 それらの力を悪用する者は当然現れる。
 魔法が認められていない世界の1つ、魔法否認知世界<ミズガルズ>に魔の手が迫る。
 魔法と科学の力を悪用し、秩序を崩そうとするものがいた。
 これは、そんな魔法否認知世界<ミズガルズ>の秩序を影で守る魔法使いの物語。

 今日は休日。工藤飛鳥とフェイト・クラウスは、地元の鳳商店街に買い物に来ていた。
 買い物の目的は、フェイトの携帯電話を買うためである。
 二人は魔法使いなので距離が離れていても念話で会話ができるが、いちいち念話でのやり取りだと不便なので携帯電話を買うことにしたのだ。
 「フェイトはどの機種にするのか決まっているの?」
 フェイトの顔がやや赤くなっている。
 「まよっているんだけど、その……、あの……」
 「どうしたの?」
 「飛鳥と同じタイプのがいいな。いろいろと教えてもらえるし……」
 「別にいいけど」
 フェイトは笑みを浮かべてお礼を言った。
 「ありがとう、飛鳥」
 飛鳥とフェイトは携帯電話屋に向かっていると、前方から赤い猫耳帽子をかぶった少女が近づいてきた。
 赤い猫耳帽子の少女は、帽子で隠れているが茶色い髪のサラサラヘアーが特徴で、年齢は飛鳥よりだいぶ年下に見える。
 赤い猫耳帽子の少女は飛鳥の前で立ち止まり、飛鳥に話しかけてきた。
 「お久しぶりです、飛鳥さん。あの、お願いがあるんですけどいいですか?」
 「久しぶり、オトメ。僕にできることならいいよ」
 オトメと呼ばれた少女と、飛鳥は知り合いのようだ。そのやりとりにフェイトが嫉妬したようにいった。
 「あなたは誰? 飛鳥とどんな関係?」
 フェイトの目がかなり怖い。何だか黒いオーラが見えそうだ。
 そんなフェイトを気にせず、赤い帽子をかぶった少女は素直に答えた。
 「オトメ・アカボウといいます。飛鳥さんのことを知っているのは、飛鳥さんが私の臨時教官だったからです」
 飛鳥は嘱託魔導騎士の他に、魔導士・魔導騎士養成学校<ファンタジア>で臨時教官としても働いているからである。
 「オトメ、何があったの?」
 「私、子供のフェンリルを見かけたんです」
 「僕達も手伝うよ、ね? フェイト」
 飛鳥は笑顔で引き受けたが、フェイトはジト目でオトメを見ている。どうやら、フェイトはオトメに対し嫉妬をしているようだ。
 「飛鳥がやるなら。私も手伝うよ」
 飛鳥はフェイトとオトメに指示した。
 「見つけたら、周辺の風景を僕に念話で伝えて、すぐに行くから」
 「分かりました」
 飛鳥達3人は、手分けをしてフェンリル探しを開始した。

 飛鳥達がフェンリルを探しているのと同時刻、鳳商店街から少し離れた林の中に<ミズガルズ>には存在しない魔法生物アクリスが徘徊していた。
 アクリスは、鋼をも引き裂く怪力を持ち、人間と同じ大きさのティラノサウルスのような生物である。
 アクリスが、誰かに見つかったらパニックになってしまう。
 さらに、アクリスに狼の様な生き物フェンリルが近づいてきた。このフェンリルは子供のために、まだ仔犬ほどの大きさしかない。しかもこのフェンリルはオトメが発見したフェンリルである。
 強さで勝てるはずないのにフェンリルは、アクリスに対して威嚇した。アクリスも咆哮を上げフェンリルを威嚇する。
 2匹の咆哮に気がついたオトメが駆けつけた。
 「あなた達、大人しくて」
 オトメのその言葉でフェンリルは大人しくなったが、一方のアクリスは無防備なオトメに襲いかかってきた。
 オトメの背後から黄色の槍の様な光弾が飛んできて、アクリスの腹部に直撃した。非殺傷になっていたため、アクリスに怪我はなさそうだ。
 「どうにか間に合った。オトメ、大丈夫?」
 黒色のブレザーに似ている<防御服>を着たフェイトが、オトメを助けにきた。
 フェイトの左手には、槍<アトラス>が握られていた。さっきの光弾は、フェイトが放ったのだ。
 「フェイトさん。ありがとうございます。私もフェンリルも大丈夫です」
 オトメはジョウント効果で着ていた服を、フェイトと同じデザインと色の<防御服>に変えた。
 「2人でアクリスを止めよう」
 「はい」
 フェイトとオトメは、意気投合してアクリスに向かった。
 アクリスが物凄い勢いで、フェイトとオトメめがけて突進をしてきた。
 すると、オトメが紅色の魔力の壁を作り出した。
 「“ヴァヴェ・サークル”」
 アクリスは魔力の壁ぶつかり弾き飛ばされた。
 そのすきに、フェイトは槍<アトラス>を構え呪文を唱えた。
 「“ランヴ・ジラシ”」
 フェイトの放った魔法攻撃が、オトメの出した魔力の壁を貫通しアクリスに直撃した。
 しかし、アクリスは起き上がり、アクリスは自慢の鋭い爪と怪力でオトメの魔力の壁を粉々に破壊した。
 再びフェイトは槍<アトラス>を構え、さっきと別の呪文を唱えた。
 「“ジッタヴ・トウタ・ヴァナヴァイ”」
 フェイトは魔法攻撃で足止めをしようとしたが、今度はアクリスの爪でフェイトの魔法ははじかれてしまった。
 アクリスは、そのままフェイトとオトメに鋭い爪で襲いかかるが、突然現われた淡い青い光の鎖によりアクリスを縛り上げた。
 「大丈夫? フェイト、オトメ」
 フェイトと同じデザインで白色の<防御服>を着た飛鳥が、フェイトとオトメを助けにきた。さっきの鎖は飛鳥が魔法が出したものだ。
 「はい」
 「私も大丈夫です」
 アクリスは自分の怪力で魔力の鎖を引きちぎり、今度は飛鳥に向かってきた。
 飛鳥はジョウント効果で剣<ラクティス>を呼び出した。
 「“タクト・チョウラン”」
 飛鳥が呼んだ剣<ラクティス>には刃がついていなく、ただの棒のようになっている。今の<ラクティス>には、殺傷能力はない。
 襲い掛かってくるアクリスの鋭い爪を軽々交わし、飛鳥は剣<ラクティス>でアクリスの鳩尾【みぞおち】に突きをした。
 その攻撃で、アクリスはひるんだ。
 飛鳥は右手の手のひらを、アクリスに向けて感情抑制魔法“チズネス・ロウジュン”を唱えた。飛鳥の右手の手のひらから淡い青色の光を放ち、それを浴びたアクリスは静まり大人しくなった。

 変身を解除した飛鳥達は、さっきの出来事を話していた。
 「フェンリルはなんで、アクリスを威嚇していたんだろう?」
 オトメの疑問に、飛鳥が答えた。
 「たぶん、あの仔犬たちのためじゃないかな?」
 近くの茂みに隠れていた、仔犬たちがでてきた。
 「フェンリルは守るために頑張っていたんだね」
 フェンリルと仔犬たちは無邪気に遊び始めた。
 思い出したかのように飛鳥がオトメに訊ねた。
 「そういえば、なんでオトメはこっちの世界に?」
 「はい、イリスさんにお買い物を頼まれたのです」
 「やっぱり、あの人か……。ところで、何を買うつもりで来たの?」
 「えっとこれです」
 オトメは、飛鳥とフェイトにメモ書きを見せた。
 イリスが愛飲している緑茶や、アニメのDVDなどが書かれていた。
 「オトメ、1人で大丈夫?」
 「これは、私に出された修行です。絶対に達成します」
 オトメは、自身満々である。
 「きっとそうだよ。オトメ、頑張ってね」
 どうやら、フェイトも同じ考えだ。
 飛鳥は『たぶん、違う』と、口には出せなかった。
 その後、飛鳥はフェンリルとアクリスを元の世界に転送をしてあげた。

 オトメと別れた飛鳥とフェイトは再び携帯電話屋に向かっていると、飛鳥がフェイトに訊いてみた。
 「今度はフェイトが、はじめてのおつかいやってみる?」
 フェイトは、赤面して動揺している。
 「え、それは……。まだちょっと自信がないな……」
 「フェイト、何事もチャレンジだよ。」
 「飛鳥が言うなら、今度やってみるよ」
 フェイトは独占するように飛鳥の手を引き、携帯電話屋に向かった。


 『第09話 残りモノの気持ち』につづく

 あとがき
 読んでくれた人ありがとう♪
 今回登場したオトメ・アカボウは、Eternalから?ず!! の主人公です。
 フェンリルは狼型の魔法生物。なので当初は、オトメのペットの予定でした。
 別パターンでアクリスの変わりに、フェンリルが暴れているも考えていました。
 そんなこんなで、今回の様に落ち着きました。

 次回は、物を粗末にするとでてくる怪人。

Eternalえぼりゅ?しょん!! もくじ


オンライン小説検索エンジンNEWVEL様の投票ランキングに小説を登録しています。
投票は月1回、ここからできます。
投票してもらえると、ランキングがあがるので励みになります♪

テーマ : 趣味と日記
ジャンル : 趣味・実用

コメント

非公開コメント

プロフィール

フェレットもどき

Author:フェレットもどき
初めまして、フェレットもどきです。
ヴァイスシュバルツについて書いたりしてます。

カウンター
カテゴリ
最新記事
ブログ内検索
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
宣伝
作品紹介
D.C.III P.P. ~ダ・カーポIII プラチナパートナー~ D.C.III R ~ダ・カーポIIIアール~ D.C.III Plus ~ダ・カーポIII~プラス D.C.III ~ダ・カーポIII~ D.C.I&II P.S.P. ~ダ・カーポ I&II~ プラスシチュエーション ポータブル T.P.さくら D.C.F.S. ~ダ・カーポ~ フォーシーズンズ D.C. P.S.~ダ・カーポ~プラスシチュエーション
今日のカード
リンク