Eternalえぼりゅ?しょん!! 第10話 飛鳥の母


 異世界のなかには、魔法が存在し発展してきた世界がある。
 さまざまな魔法が生まれ、世界は豊かになっていった。
 だからといって、魔法は万能ではない。物が壊れれば修理をする、病気や怪我をすれば病院に行く、失った命は戻らない。
 魔法では不可能なことを、補うように科学・医学は発達していった。
 魔法は認められず、科学が発達していった異世界<ミズガルズ>を、影で守る魔法使いの物語……。

 魔法否認知世界<ミズガルズ>にある鳳海岸では、工藤飛鳥、蒼衣ことり、フェイト・クラウス、蒼衣美羽の四人はアリス・キャロル、リン・クリスチャン・アンデルセンと激しい空中戦を繰り広げていた。
 リンは赤いゴシックロリータの服を着て、茶色のショートヘアーをした女の子でショットガン<エスティマ>を使用している。
 アリスは青いゴシックロリータの服を着て、金色のロングヘアーをした女の子である。
 飛鳥とことりはリンと海面すれすれの所で飛行魔法を使い戦っていた。
 リンはショットガン<エスティマ>を構え「“ジョポオ・チャルペヴ”」と唱え、ショットガン<エスティマ>から火球が発射された。
 飛鳥は構えるライフル<ラクティス>から、淡い青色の光弾を放ち火球を迎撃した。
 リンは生意気な笑みを浮かべ「なかなかやるね! 兄ちゃん」とあざ笑った。
 ことりは杖<ウィッシュ>をリンに向けた。
 「“チカス・ルタシ”」
 桜色の生物の様に動く鎖が現れリンを拘束しようとした。するとリンは超絶飛行でたくみにかわしながら、ショットガン<エスティマ>で鎖を迎撃した。
 「リンで燃えさせてあげるよ。“ジッタヴ・コロナ・ショット”」
 ショットガン<エスティマ>の銃口から、巨大な火球を放った。それに対する飛鳥は回避行動はとらずに身構えた。
 「“ジッタヴ・ジャライ・ロウファン”」
 飛鳥が詠唱すると飛鳥のかまえるライフル<ラクティス>の銃口から、サッカーボールほどの魔力の球体を放った。
 2つの攻撃は相殺し海水の水柱がたち、海水の雫が降り注ぎ視界を悪くした。
 「くっそ。リンだって、負けねーぞ」
 リンは反撃しようとしたが、身動きが取れなかった。それはリンの体は、桜色の鎖で拘束されていたからだ。
 「わたしもいる事を、忘れちゃダメですよ」
 ことりは再び“チカス・ルタシを唱え、リンを拘束したのだ。
 「リンは負けたわけじゃねーかんな。覚えてろよ」
 リンの怒号を背に、飛鳥とことりは美羽とフェイトの援護に向かった。

 その頃美羽とフェイトはアリスと空中戦を行っていた。戦っていた場所は飛鳥達のはるか上空で戦っていたので、先ほどの爆風の影響は受けていない。
 アリスはトランプをばらまき、魔法の呪文を唱えた。アリスは魔法で、トランプを自在に操ることを得意としている。
 「“ラ二・ジュカリ”」
 すると、周囲は無数のトランプの吹雪となり視界を蔽った。その数は54枚どころではなく、何千枚と言う枚数だ。
 美羽は手に持つ杖<ウィッシュ>を闇雲に振り回して、トランプを払いながら怒鳴った。
 「なんでこんなに、トランプを持ってるの!?」
 アリスは挑発するかのように「不思議よね。でも、教えてあげない」と言い、さらに拘束系魔法「“ラ二・ヴェキョウ”」を唱えた。
 周囲のトランプが一斉にフェイトと美羽の体にまとわりつき、完全に動きを封じ込めた。
 さらにアリスはどこからかトランプを取り出した。
 「“ラ二・ジャノポ”」
 アリスは呪文を唱えると、トランプを数枚を手裏剣の様にフェイトに投げた。鋭利なトランプがフェイトめがけて、一直線に飛んでいく。
 フェイトにトランプが当たる直前に、槍の様な光弾がトランプを迎撃した。
 リンを相手にしていた飛鳥が、美羽とフェイトの援護に来たのだ。
 「2人とも、大丈夫。すぐに、拘束を解いてあげるから」
 飛鳥とことりは魔法で美羽とフェイトの拘束を解こうとしたその時、リンが現れた。
 「お前ら、燃えちゃえ。“ジッタヴ・コロナ・ショット”」
 リンは美羽達に狙いを定め、ショットガン<エスティマ>から再び巨大な火球を放った。
 飛鳥の背後には身動きがとれない美羽とフェイトがいるので、再び飛鳥は“ヴァヴェ・サークル”で再び防いだ。
 「ことりは、そのまま2人を」
 「任せてください」
 リンはさらに攻撃を加え続けた。
 「兄ちゃんの、固くて丈夫だね」
 飛鳥は“ヴァヴェ・サークル”でリンの攻撃を防ぎ続けるが、“ヴァヴェ・サークル”が砕け散った。それと同時にアリスの拘束魔法で、飛鳥は拘束された。
 「これで、止めだ。“ジョポオ・トウタ・ヴァナヴァイ”」
 ショットガン<エスティマ>から放たれた火球が、今度は飛鳥を直撃した。
 飛鳥はそのまま鳳海岸の砂浜に落下していった。飛鳥の落下地点では、砂が舞い上がり安否が確認できない。
 不意にアリスが自分の懐中時計を見た。
 「いいところで、時間切れね。帰りましょう」
 「ちぇ。いいところだったのに! リンはホントはまだ……」
 アリスは転送魔法“ヴェントウ”を唱え、リンと共に撤退した。
 アリス達が撤退すると、ことり達3人は飛鳥の元に飛んでいった。
 飛鳥は砂浜にたたきつけられて気を失っていた。ほぼ無傷でいるのは、薄れいく意識の中でとっさに緩衝用魔法陣“ランチョウ・サークル”を展開し、着ていた<防御服>のおかげだ。
 ことりは飛鳥の具合をみた。
 「骨折とかは無さそうよ。でも……。飛鳥くん、何だかすごい熱。ひとまず、飛鳥くんの家まで運びましょう」
 ことり達は飛鳥を運び、すぐに飛鳥をベットで寝かせた。
 ことりは深夜になっても、飛鳥に付き添い看病していた。
 ことりは飛鳥の額に乗せた濡れタオルを取り替えようと手を伸ばすと、その手を熱にうなされる飛鳥が掴んだ。
 「母さん……、一緒に逃げ……」
 ことりは飛鳥の手を、母親の様に優しく握り締めた。
 「飛鳥くん。あの日のことを夢見てるんだ」
 飛鳥にとっては忘れられない、あの日の出来事。終わりと始まりの事件。

 今から10年前の魔法認知世界<ミミル>のとある森に飛鳥と飛鳥の母親サクラはピクニックに来ていた。。
 この日は、天候もよく飛鳥とサクラは森の中を散歩をしていた。サクラはいつも笑顔を絶やさず、飛鳥のことを大切する優しい母親である。
 森にはさわやかな風が吹き、小鳥のさえずり、木々の葉が揺れる音。沢山の命が感じられる。
 サクラと飛鳥は普段は、魔法否認知世界<ミズガルズ>の鳳市で暮しているので、魔法認知世界<ミミル>に来るのは久しぶりだった。
 飛鳥は幼く舌足らずな話し方で、サクラを呼んだ。
 「お母さん、あっちに行こう」
 優しい微笑みを浮かべながら、サクラは飛鳥の後を追いかけていった。
 「飛鳥は足が速いのね」
 そのとき、激しい爆音と共に爆風が周囲を襲った。その威力はすさまじく、そこにいたはずの生命は苦しみを味わうことなく消え去った。
 爆風は飛鳥とサクラをもまきこんだ。
 飛鳥は恐る恐る目を開けると、周囲を淡い青色い膜が包み込んでいた。
 サクラは飛鳥に優しく微笑んだ。
 「大丈夫、もう怖くないから」
 飛鳥は涙目でサクラを見上げる。
 「お母さん……」
 しだいに、魔力の膜に亀裂が生まれてきた。
 飛鳥の近くに転送用魔法陣が現れた。この魔法陣は転送用の物だ。
 「飛鳥、速く中に入って……」
 「お母さんは?」
 サクラはこの膜を維持するために、身動きがとれない。
 「いいから、入りなさい」
 今までのサクラの口調とは少し違った。怒っているような感じだが、沢山の愛がこめられている。
 「でも……。お母さんが……」
 「飛鳥1つだけ約束して。誰にでも優しく、強くなるのよ」
 魔法で無理やり飛鳥を、転送用の魔法陣に入れた。
 飛鳥は必死になってサクラを呼び続ける。
 「お母さん、お母さん……」
 飛鳥が魔法陣に入った直後、淡い青色の膜は消滅した。
 飛鳥が気がつくと、爆風の影響が及んでいない高台にいた。
 「ここは……」
 飛鳥は周囲を見渡し言葉を失った。
 飛鳥が見た光景。それは、あたり一面、さっきまで居た場所は焦土と化していた。
 爆発の原因は超古代兵器<モアブ>の、盗掘中の事故によるもの。
 超古代兵器<モアブ>は超古代文明により作られたもので破壊力は核爆弾を数十倍に強化したものだ。
 核爆弾の様に周囲を汚染することはないが、物凄い光と熱風を放つと同時に周囲をマイクロウェーブの嵐が起こる。
 そのせいで、盗掘者や証拠品も爆発の影響で跡形もなく消え去ってしまい、捜査は難航していった。
 自分だけ生き残った飛鳥は泣き叫び、自分を責め続けた。
 そのことで、飛鳥はひどく落ち込んでいたが立ち直り、自分の様に悲しむ人を1人でも減らすために魔導管理局に入った。
 あの日のサクラとの約束を胸に、を相手にさせないように、飛鳥はできるだけ戦う相手に怪我をさせないようにしているのだ。

 飛鳥が気がつくと、眼前にことりの顔があった。
 「こ、ことり……」
 飛鳥が眼を覚ましたので、ことりは安堵の溜息をついた。
 「よかった。気がついて」
 「ごめんね。心配かけて」
 「飛鳥くんが無事でよかった」
 「あっ、ごめん」
 飛鳥はことりの手を握っていたことに気がつき手を離した。すると2人は顔を赤らめ、恥ずかしい衝動から視線をそらしあった。
 2人に甘酸っぱい空気が流れた。
 どれくらいたっただろうか、廊下から賑やかな足音が聞こえてた。
 「美羽と、フェイトが来たみたいだ。あの2人にも心配かけちゃったな」
 「フェイトちゃん。かなり、心配してましたよ」
 「そうか……。さあ、行こう。ことり。2人に元気になった姿見せないと」
 飛鳥はベットから起き上がった。
 「はい」


 『第11話 人魚の秘薬』につづく

 あとがき
 読んでくれてありがとうございました。
 今回は、飛鳥の過去のお話でした。
 ちなみに、飛鳥の父親は神主です。設定では、御奉仕(他の神社へ手伝い)によく行くので不在が多いです。
 次回は、久々サンドリヨンが登場します!

Eternalえぼりゅ?しょん!! もくじ


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